脱北者と金正恩(川崎栄子)

(youtube「北朝鮮の極端的恐怖」2020年3月30日の投稿より)

 

みなさま、こんばんは。

 

私は脱北者の川崎栄子です。私は現在、モドゥモイジャという、小さなNGOの代表をしております。私は今日から、youtubeを始めようと思っております。

 

まず今日は一番はじめに、金正恩と脱北者の関係性についてお話したいと思います。

 

 

■帰国事業で北朝鮮に渡った私が脱北した目的

 

まず最初に私自身の紹介を少しさせていただきます。

 

私は在日朝鮮人二世として日本で生まれて、小学校・中学校は日本の学校を卒業し、高校は朝鮮総連系の学校へ入学しました。

 

そして高校三年生の時に、帰国船に乗って、北朝鮮に行きました。

 

2004年に日本に戻ってきた私が、何を目的に戻ってきたか。

 

それは金日成と韓徳銖(ハン・ドクス)の謀略によって行われた在日朝鮮人の北朝鮮への帰国事業というものが、どれくらい罪深いものであったか、行った人々にとってはどれほど耐え難い苦痛の連続であり、現在もその苦痛の中で暮らしているのかを皆様に知っていただき、その問題を解決するためにみなさまにご協力を得るために、日本に戻って参りました。

 

先ほどお話しましたように、金正恩と脱北者の関係性をお話したいと思います。

 

今日からyoutubeを始めると、私に同情的な皆さまばかりが見てくれる訳ではないと思っております。中には朝鮮総連系の方々もたくさんご覧になるのではないかと思っております。

 

そうすると心配になることがあります。それはこのyoutubeを妨害し、中傷する現象が起こるかもしれないということです。

 

でも、総連系の皆さま、それは、できない相談ですよ。

なぜできないか、ということを、これから私がお話します。

 

 

■ 金正日の妻(金正恩の母)は在日コリアン

 

皆さまも、現在も崇めていらっしゃるように、北朝鮮にとって金日成は絶対的な神様です。誰も口を挟むことはできませんし、批判をすることはできません。

 

その金日成の長男である金正日が、縁があって帰国者である大阪の鶴橋からの高容姫(コ・ヨンヒ/高英姫と言われていたが正しくは高容姫)と夫婦になりました。

 

でもそのことを金日成は絶対に認めませんでした。

 

金正日は、子供達が三人生まれて、ずいぶん大きくなった頃、「もういいだろう」という判断のもとに、父である金日成のもとに家族を連れて行きました。

 

でも、金日成は逆上して、絶対に会いませんでした。絶対に許さないという立場を死ぬ日まで貫きました。

 

だから、金日成の子供達、金正哲、金正恩、金与正。もちろん高容姫本人も、金日成に直接会うことは、死ぬ日まで一度もありませんでした。

 

 

■ 金正恩の叔父と叔母は脱北者

 

1996年、高容姫は子供達を連れて、「子供達を留学させるために」という名目のためにスイスに逃れ出ました。

 

その時に自分の妹である高英淑(コ・ヨンス)家族も同行しました。それは、子供達の面倒を見るため、ということもありましたが、もう一つの目的もありました。高英淑夫婦は金正日のスイスにある外貨講座の管理人でもあった訳です。

 

そしてスイスでの生活を始めた彼らでしたが、1998年、高英淑一家は脱北しました。それもただ脱北したのではなく、金正日の外貨口座、40億ドルあると言われた外貨口座から、相当額の外貨をもってとんずらしました。これは大変なことですよね。

 

でも、金正日はそのことを絶対に表沙汰にはできませんでした。できるはずありませんよね。

 

そしてまた2000年には高容姫の兄であるコ・ジョンフンも脱北しました。結局、三人きょうだいのうち、二人が脱北してしまった訳です。

 

つまり、現在のあなた方の神様である金正恩は本当なら北朝鮮で処罰される対象ですよね。脱北者の家族なのですから。それも、叔父も叔母もみんな脱北してしまったのですから。

 

だから、現在、北朝鮮で高容姫、首領の母親に関する情報は一切漏らされてはいけないし、また、国母としての扱いもできない訳です。

 

それくらい辛い立場にあります。金正恩が。

 

アメリカに脱北した高英淑夫婦は、2016年にワシントンポストのインタビューで、「私たちはアメリカンドリームを成し遂げた。私たち夫婦も幸せですし、子供達も幸せな生活を送っています」と、言っています。

 

 

■ 金正恩の心中は?

 

いかがでしょうか?みなさま。

 

そういう家庭環境の中で首領の地位を占めていなければならない金正恩という人物、苦しいですよね。もしかしたら金正恩本人も今頃、「いやぁ、俺はこんな椅子に座っていなければ、脱北したらいいのにな」と思っているかも知れませんよ。

 

 

 

だから、朝鮮総連のみなさま、もしも私のこのyoutubeを妨害したり、中傷したりするということは、金正恩の顔に唾を吐くことになりますよね。

 

だからご覧になるのは構いませんが、何もしないで、ご覧になってください。

これからも時々、こういう話題に私の話が及ぶかも知れませんが、静かな気持ちで、本当の真実を見極めるつもりで、私のyoutubeをご覧になってください。

 

この次の回もお楽しみにしていてください。

 

一般のyoutubeをご覧になっている皆さま方も、次回に期待をかけてください。

 

今日はありがとうございました。