北朝鮮では夏に何を食べるの?(川崎栄子)

(youtube 北朝鮮の極端的恐怖 2021年8月1日より)

皆様、こんにちは。川崎栄子です。暑いですねぇ、本当に。さっき私は、ボーボーの髪の毛を少し整理するために外へ出たのですが、あんまり暑くて、本当に大変でした。

 

今日お知り合いの方から私に、ウナギの蒲焼きの冷凍品を送ってくださいまして、到着いたしました。日本の方々は夏には、土用うなぎ、スタミナの補強のために、うなぎを召し上がりますよね。

 

日本と韓半島は、こんなに近くにあるのですが、食文化は、本当に大きな違いを持っています。今日はあまり堅苦しいお話をせずに、韓半島の夏の食文化についてお話してみたいと思います。

■ 極貧の中で、何を食べているのか?

韓国は現在、本当に経済が発展しており、飽食の時代ですから、豊かな食文化を誇っていますよね。でも、北朝鮮はそうではありません。極貧の中で、本当に今、北朝鮮の人たちが何を食べているか、とても心配をしております。その中でも北朝鮮の夏に皆さんがどんなものを召し上がっているか、についてお話してみたいと思います。

 

まずは冷麺ですよね。冷麺は、皆さんご存知のように。平壌冷麺。ハモン冷麺とか、いろいろな冷麺がありますが、まず夏のごちそうといえば冷麺です。冷たくして氷を浮かせて、冷麺を食べますが、日常の生活では冷麺ではなくて、とうもろこしを使った冷麺ですね。それでも夏はやっぱり冷たくして食べます。

■ 田舎では冷蔵庫がないので、冷たい湧き水を使う

 

とうもろこしの麺を茹でて、それを冷たい水に、冷蔵庫はありませんから、正直言って。仕方がありませんので、都会の場合はどこか近くへ行って氷を買ってきて入れると言うことができます。地方になると、そういう便利もありませんので、湧水を汲んできます。どこかへ行ってこう、少し山手とか、そういうところに行くと湧き水がありますので、冷たい湧水を汲んできて。それを冷麺の汁に使うわけですが、そのとき主に使うのは、キムチの汁を一緒に入れて、冷麺の汁にします。そうすると、なんて言うんですかね?清涼感が増すといいますか。韓国の人たち、韓半島の人たちは、オーショウナラっていう言葉をよく使いますが、それはスッキリするという意味なんですよね。

■ おかずは一年通じて、キムチがあれば充分という暮らし

それでその湧き水にキムチの汁を入れて、塩分を合わせたものと、何か具があれば、具材といってもキムチしかありませんから、前にもお話したと思いますが、北朝鮮の人たちは、おかずというのは一年を通じて、キムチでもあれば充分というそういう貧しさですから。ちょっと余裕のある人たちは秋にキムチを漬けるときにたくさん漬けます。そして夏まで食べられるように保存をします。

 

保存の方法というのは、キムチ冷蔵庫とかそういうのは全然考えられませんから、土の中に埋めます。200Lくらい入る、キムチの瓶。壺ですね、キムチの壺をいくつも、土の中に埋めます。土の中に埋めて、別にそのキムチだけの小屋を持っている人は、そのキムチだけの小屋の中に並べて、土の中に埋めますし、そういうものがない都会では、自分の所の下の地面に、みんなそれぞれ決まっています。ここはどこの家、何号室はここに、場所が決まっていますので、その場所にキムチの壺をいくつも並べて、埋めます。

 

そして夏までそれを食べることになるんですが、そのキムチの汁を冷麺のスープにして、そこにキムチを刻んで、のっけます。それがもう北朝鮮の夏の夕食の定番みたいなものですね。そういう風にしますよね。そして、今はそれさえも。なかなか、ちゃんと口に入らない状況だと思います。

■ 韓半島の「サム」の文化

それから、お昼とか、サムという文化があります。韓国通の方はご存知の方がいらっしゃるかもと思いますが、サムというのは色々なものでご飯を包んで食べる文化なのです。日本にはあまりない文化ですが、ちょっとあるところもありますね。高菜漬けの。それをあの、ご飯で包んだりする、おにぎりにしたりするのが時々、またちらほら見かけることがありますが、それとはまた違った独特の、サム文化というのがあります。

 

それは主に夏ですが、材料によっては冬にも作って食べます。それはどういうことかと言いますと、サムの材料としてはいろいろあります。まず白菜を茹でて、それにご飯を包んで、ご飯をのっけて、そこにまた塩味を出すために、韓国なんかは豪華ですから、お肉は必ず入ります。そこにコチュジャンとか、いろいろなおかず野菜も入れて包んで食べます。

■ 塩辛

でも北朝鮮はそんなものはありませんから、まぁ、あるとすれば塩辛ですね。イカの塩辛があれば上等ですし、そうでなかったら、アミ(エビ)の塩辛ということになるんでしょうかね。それから一番いいのが、カタクチイワシの塩辛です。ですのでカタクチイワシが手に入った時に塩漬けにして塩辛に作っておきます。それをちょこっと入れます。そしてなんか野菜があれば一緒に入れて包んで食べるのですが、野菜とその、ご飯。ご飯とその塩辛とが噛んでいるうちに、口の中で混ざって絶妙な味になります。

 

その、サム文化と言いますのが、韓半島の、南北を通じてある文化ですが、北朝鮮の人たちも本当にいろいろなもので包んで食べます。さっき言ったように白菜。それからキャベツ。それから、あの、フキの葉っぱですよね。フキを日本の方々は茎だけ食べて葉っぱは捨てますよね?でも、韓半島の人たちは、そのフキの葉っぱを捨てません。フキの葉っぱも茹でて絞って、ご飯を包んで食べます。

 

そしてもちろん海苔も、普通に海苔巻きの海苔ありますよね?それも使います。そしてまた。ちょっと変わった物としては、わかめ。わかめを水にふやかして、幅の広い部分がありますよね?わかめの幅の広い部分を切って、そうですね。5cm幅くらいの10cmぐらいの感覚で切って、それを二つくらい重ねますとちゃんとご飯を包める状態になります。

■ とうもろこしに他のものを混ぜた雑穀ご飯

そしたらまたそこにご飯といっても、北朝鮮の場合は白米なんかありませんので、とうもろこしになんかいっぱい混ぜた、とうもろこしに、大根を削って入れたご飯とか。ほかのもの、いろいろな野菜を入れたご飯とか、そういうものですよね、雑穀のご飯にそれを包んで食べる。またジャガイモをふかしてご飯代わりに包んで食べることもあります。

 

でもそのサムというのは、数種類のものが、結局一つの包みになるわけです。ご飯もちょっとのっけて、しょっぱいのをのっけて。また、ほかの野菜をのっけて、となりますから、数種類になります。それを一つの、小さな包みに包んで口の中へ入れて。噛んでいるうちにそれがまざって美味しくなる。そういう、こう、日本とは全然違ったその、生野菜を食べる。

■ 日本でも知られるサンチュ

あ、忘れました。一番、普遍的なのは何か?サンチュ。皆さん今、日本の方々はサンチュといっても通じますよね?焼肉の時に包んで食べる、あの葉っぱですよね。サニーレタスのことですよね?茶色っぽいとか緑色のもありますが。そのサンチュの葉っぱが基本、主人公です。サム文化のご飯を包んで食べるときに、そのサニーレタスというのは、夏にしか出回りませんよね。そのレタスを洗って、そこにご飯を包みます。それが主人公です。それからさっき言ったように白菜。それからキャベツ。それからフキの葉っぱ。

 

それから、北朝鮮の人たちにはそういう文化は見当たりませんでしたが、中国の東北地方の朝鮮族の方たちは、北朝鮮に住んでいらっしゃった方たちもいらっしゃるのですが、その人たちはあの太いネギ。太いネギの葉っぱを広げて、するとすごく広くなるんですよね。その葉っぱに。ネギの葉っぱに、包んで。ご飯を包んで召し上がるのを見たことがあります。それを私も一度やってみたのですが、とても辛かったです。でも、その辛さをお楽しみに召し上がる方も、いらっしゃるわけですよね。

■ サム文化は野菜を摂取するのに良い

だからそれも、日本の方たちにはない、食事の一つの文化として私は考えておりますが、野菜を生でとか。茹でてとかまたわかめを戻してとか、食べるそのサム文化が。野菜をたくさん摂取する上では、とてもすばらしい文化だと、私は思っておりますし、野菜好きな私はしょっちゅうやっております。日本の皆さまも、一度やってみてはいかがですか?

 

その中に入れる。塩味をつけるものを足して、まずコチュジャンが先に、まずありますよね。北朝鮮では皆コチュジャンは自分で作ります。自分で作ってしますが、コチュジャンの唐辛子がそんなにない場合は味噌だけでも、作って混ぜてこう、コチュジャンみたいにして使います。

 

コチュジャンも使いますし。日本では何でも揃いますから、コチュジャンとお肉と。お肉を炒めてもいいですし、茹でてもいいです。そしてまたお肉じゃなくてもこう、イカとかタコとかでもいいんですよね。何しろ美味しい材料をそこに入れて、野菜といっしょに包んで食べる。そういうのを一度やってみてください。わたくしはそのサム文化というのは素晴らしい食文化だと思っております