日韓参加者が共に、横田めぐみさん拉致現場訪問〜メディアシップ前で声明文発表 2024年7月7日(日)午前

【在日北送65周年七夕国際行事の報告】② 

◾️横田めぐみさん拉致現場訪問

横田めぐみさんの同級生、池田正樹さんからのビデオメッセージに、韓国からの参加者も熱心に耳を傾ける
横田めぐみさんの同級生、池田正樹さんからのビデオメッセージに、韓国からの参加者も熱心に耳を傾ける
横田めぐみさんが中学校入学時に写真を撮った桜の木の前で記念撮影(寄居中学校)
横田めぐみさんが中学校入学時に写真を撮った桜の木の前で記念撮影(寄居中学校)

 

行事の二日目となる7月7日(日)、私たちは横田めぐみさんの母校である寄居中学校に集合しました。

 

「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」の代表である池田正樹さんからのビデオメッセージを視聴した後、同じく同級生の丸山善昭さんの案内で、拉致現場であるめぐみさんの下校路を歩きました。

 

韓国から来日した北朝鮮による人権被害者の方々も、ビデオメッセージに食い入るように聴き入り、めぐみさんの写真で有名になってしまった桜の木の前で、共に写真を撮りました。この桜は寿命によってすでに枯れてしまいましたが、そのことも、めぐみさんの拉致がこんなにも長い期間、未解決であることを表しています。韓国からの参加者も、枯れた桜を見ながら、横田めぐみさんの拉致に対する日本の関心度を示しているようで、本来はもっと適切に管理されなければならないのではないかと意見を述べました。

 

その後、丸山さんの説明を受けながら、下校路で徐々に友人と別れながらめぐみさんが一人になっていく状況が伝わって来ました。警察犬がにおいを追えなくなったという丁字路から自宅まではあとほんの50メートルほどでした。

 

当時13歳の少女が平和な日常の中で、突然、北朝鮮によって拉致されたことを、ありありと感じることができました。めぐみさん本人もご家族も、どれほどの衝撃、恐怖、悲しみ、絶望を感じたでしょうか。

 

 

横田めぐみさんの下校路にて。中央が同級生の丸山さん。
横田めぐみさんの下校路にて。中央が同級生の丸山さん。
横田めぐみさんの下校路にて。同級生二人と川崎栄子代表(左)
横田めぐみさんの下校路にて。同級生二人と川崎栄子代表(左)

丸山さんの熱心な説明に聞き入る参加者。
丸山さんの熱心な説明に聞き入る参加者。

◾️メディアシップ前で声明文発表

 次に私たちが訪れたのは、65年前に在日北送事業が始まった際、関係者が306本の柳の木を植えて新潟県に寄贈した通称「ボトナム通り」。この通りはメディアシップ前から新潟港中央埠頭の方向へと続きます。

 

メディアシップ前で、参加者を代表して、日本から3名、韓国から3名が立ち、声明文を読み上げました。

 

 

登壇者が手に持っているのは、北朝鮮人権問題の解決や、離れ離れになった人々との再会の願いなどをしたためた短冊です。新潟のみならず、日本各地、また韓国からも自由と人権、平和を願う短冊メッセージが寄せられました。

自由や平和への想いを短冊に記す参加者たち
自由や平和への想いを短冊に記す参加者たち
新潟日報前から中央埠頭の方向へと続く「ボトナム通り」。在日北送事業が始まる1ヶ月前に植えられた306本の柳の木(朝鮮語でボトナム)が、今は80本程度残る
新潟日報前から中央埠頭の方向へと続く「ボトナム通り」。在日北送事業が始まる1ヶ月前に植えられた306本の柳の木(朝鮮語でボトナム)が、今は80本程度残る

【2024年 在日北送65周年 北朝鮮人権犯罪に対する日韓共同 七夕 声明文】

1959 年の12 月 14 日から始まった在日北送事業は、93340 人もの人々を、北朝鮮という地獄に運びました。 北送船に乗る人々は、このボトナム通りを通って新潟港中央埠頭に行き、船に乗りまし た。当時、「地上の楽園」と宣伝された北朝鮮は「地上の地獄」でした。

 

柳の木には本来「遠くへ旅立つ人が無事に帰ってくるように」という意味があります。しかし、この道を通って行った約 10 万人の北送被害者の中で帰ってきた人はたった 0.1%以下です。

 

私たちは今回、日本と韓国の各地から集まりました。 北朝鮮による様々な人権犯罪で苦しむ人や、解決のために取り組む団体がこうして集いました。

 

人間には本来、誰も犯すことができない自由と人権が与えられています。日本では横田めぐさんを始め、北朝鮮に拉致された方々、特定失踪者の方々。在日北送事業で北朝鮮に渡った方々が今日まで北朝鮮による人権犯罪で大変な人生を生きています。韓国でも拉致に加え、朝鮮戦争時に連れ去られた方々や、第2延坪海戦や西海公務員射殺事件で命を奪われた方々がおられ、北朝鮮による人権犯罪は今日も続いています。 また、犠牲になった方の家族もまた、会いたい人に会えない苦しみを抱えています。こうした方々の人権は、今すぐ、回復されなければなりません。

 

私たちは今回、日韓合同で二日間の北朝鮮人権問題啓発七夕フォーラムを行っています。私たちは共に北朝鮮による人権問題解決のために力を合わせ、さらに国際社会と力を合わせていきます。 北朝鮮人権問題を終わらせ、すべての人の自由と人権が守られる社会を作っていきます。

 

2024年7月7日

 

北朝鮮人権問題啓発 日韓国際七夕フォーラム 参加者一同