韓半島はどうして分断されたのか?(川崎栄子)

YouTube「北朝鮮の極端的恐怖」2021年6月22日より)

みなさん、こんにちは。

 

今日は、二次大戦後、76年間も続いている韓半島の分断について、お話してみたいと思います。

■独立運動の功労者でない金日成に白羽の矢が立った経緯

韓半島は、韓半島に住んでいる人たちの意思によって二つに別れたのではありません。二次大戦が終わる時、東西両陣営の接点として韓半島が半分に分けられたわけです。ルーズベルト、チャーチル、スターリンの三巨頭によって決められました。

 

そして、スターリンの目に留まった金日成が急遽、韓半島の北の部分の統治者として選ばれました。

 

それは、金日成が独立運動の大物であったためではありません。金日成より非常にたくさんの独立運動をした先輩たちもいました。でも二次大戦が終わる頃、金日成率いる部隊は中国東北地方から追われて、当時のソ連領に逃げ込み、ソ連の軍隊として第二次対戦に参加することになりました。

 

私が北朝鮮で聴いているところでは、スターリングラードの防衛戦に参加したと言われています。その時、若くて覇気のあった金日成がスターリンの目に留まっていて、韓半島が二つに分けられた時に、金日成に白羽の矢が立った訳です。

 

その時、金日成はスターリンと毛沢東から、将来の韓半島は自分のものだ、という約束を得ていました。もちろん、社会主義陣営であったソ連と中国にとっては、金日成がそういう思いを抱いてくれることは、とても自分たちに良いことだった訳です。

■金日成による無謀な戦争

だから北朝鮮に上陸した初日から金日成は韓半島の南半分、今の韓国ですよね。韓国を赤化するためのスパイをどんどん派遣しました。今もその韓半島赤化工作は金正恩に引き継がれて続いています。

 

そして金日成は、北の「朝鮮民主主義人民共和国」という国を立てた後、韓国に攻め入るための準備を着々としましたし、ソ連と中国から、軍事援助を惜しみなくするという約束を得ました。そして、1950年6月25日、三十八度線全域にわたって一斉に韓国に攻め入りました。

 

本当に準備万端整えてダダダーっと流れ込みましたから、数日のうちに韓国軍は半島の一番南の端にまで追いやられましたよね。急遽、国連軍が参戦しなければ、もしかしたら最後まで押されてしまったかもしれません。でも幸いなことに、アメリカをはじめとする16カ国の国連軍が仁川上陸作戦を開始し、仁川に上陸しましたので、北朝鮮軍はソウルを境にして分断されることになりました。北朝鮮軍は急遽、韓半島から撤退しました。

 

そして3年もの間、同族の血で血を洗う激しい朝鮮戦争が繰り広げられました。その過程において300万もの人々が犠牲になりました。結局1953年7月27日、休戦協定が締結されましたが、それは、同じ三十八度線上でなされました。北朝鮮の無謀な戦争はたくさんの人たちの犠牲を払いましたが、金日成の目的通りには行かなかった訳です。

■世界有数の地下資源を有しながら世界ワースト国の北朝鮮

そして現在までも分断の状態は続いていますが、その廃墟の中で同時に出発した韓国と北朝鮮が今、どうなっているかをご覧になれば、自由民主主義制度を持った国と、独裁政治家が治める国と、どういう結果を招くかということが、白日のもとに晒されています。

 

韓半島の実際の条件だけを言えば、同じ廃墟の上に復興を始めたとしても、本当は北朝鮮が先に復興しなければだめなのです。どうしてか?韓半島は元々、北朝鮮の部分は地下資源がザクザクあります。何でもあります。金・銀・銅・すず・なまり…。ないものがありません。鉄もそうです。露天掘りです。日本の時代から大々的に開発をしましたよね。それも磁鉄鉱です。現在の科学に本当に必要な磁石ですよね。その鉱山はこれから先、300年掘っても掘りきれないというほどの資源を持っています。

 

なんでもある、資源を持っている北朝鮮が、今は世界ワーストの国になり、金正日の時代には500万人の餓死者を出していますし、この前、金正恩は「苦難の行軍」をするという国家の統率者としてはあり得ない発言をしました。

■「漢江の奇跡」を成し遂げた民主主義の韓国

じゃあ、その間、韓国はどうしましたか?韓国には日本と同じく、地下資源はありません。韓国の人たちは目標として「日本に追いつけ、追い越せ」という目標を立てて、必死になって勉強し、必死になって働きました。そして朴正煕大統領の時代に国際的な門を開き、日本とも植民地と植民地支配国ではなく、そういう恨みつらみを乗り越えた日韓国交正常化をはかり、日本からお金も技術もたくさんの援助をいただいて、「漢江の奇跡」といわれる経済復興を果たしました。

 

今、ソウルは、世界のどの大都会に比べても、劣りません。韓国の人たちの経済状態も、今は世界10カ国以内に入ると言われています。本当に奇跡を起こしています。これが自由民主種主義と独裁国家の違いな訳です。

 

その韓国と北朝鮮が、文在寅大統領と金正恩がコソコソと、アメリカを除外した、外国の干渉なしに韓半島の統一を図ろうとか、なんとか、やっています。

 

それが本当に可能でしょうか?

 

この次に、そのことについて、お話ししてみたいと思います。